【中小企業向け】ノウハウ0からの海外輸出について①

「国内市場は小さくなるばかりであり、このままではジリ貧である。海外市場に活路を見出したい」
この様にお考えの中小企業・個人事業主の方は多いのではないかと思います。

海外進出を考えるにあたって、いろいろ悩みも出てきます。その悩みを解決し、一歩前に踏み出すには少しでもきっかけが欲しいと思います。
石州プランニングワークスでは、知識やノウハウ、経験が無い事業者の皆様でも実際に海外進出ができるお手伝いをさせて頂きます。
そこに必要な事前知識をこの連載でつかんでいただけたらと思います。

貿易の大きな流れ

貿易振興を推進する独立行政法人日本貿易振興機構(JETRO)によりますと、貿易は「契約段階」「輸送段階」「決済段階」の3段階で進みます。
(参考:https://www.jetro.go.jp/theme/export/basic/trading.html

契約段階

自社製品を輸入してくれる海外の買い手を探し、商談を行い売買の契約を締結する段階です。輸出においては、海外市場のニーズを見据えたマーケティング戦略を組み立てた上で売り込み先を探します。探す過程で出てきた自社製品を購入したいという引き合いに対して、取引を行うかを以下の観点で検討します。
・相手国側で許可・申請が必要な対象品目なのか、または法定検査などが必要か
・相手の信用は如何ほどか

商談を進めるにあたっては、取引条件を詰めます。売買にかかる取引条件は以下の点があります。
・商品価格
・決済通貨
・決済方法とその時期
・品質・数量
・輸送方法と引き渡し時期
・梱包条件
・検査方法とその時期
・アフターサービス
・PL(Product Liability)の扱い
 ※製造物責任の事
・トラブル時の対応

長距離輸送が必要である為、輸送途中の商品が失われるトラブルがあった際の責任分担。つまり商品の取引場所や保険付保などの貿易取引条件を取り決める事が必要です。

取引条件が合意できたら契約書を作成しますが、国際契約においては英文で契約書を作成する事が一般的です。

輸送段階

輸送は海貨(通関)業者に依頼する事が殆どです。船腹予約(船会社、航空会社に貨物の運送依頼の予約をすること)などを行い輸送手段を確保します。併せて、輸送中の事故などに備え保険付与を行います。準備が整ったら、通関の為の保税地域へ貨物を搬入します。

※損害保険会社の名前に「~海上火災保険」とある海上とは、海運時の保険を指します
※保税地域とは、外国貨物の保管・加工・製造・展示などができる場所のことで、輸出入する際に貨物を留置きする場所を言い、税関の管轄下にあります

通常は輸出者側で輸出通関・積込の手続きを行います。国境輸送の後、輸入通関手続きを輸入者側で行います。

決済段階

輸入者は代金を支払い、貨物を引き取ります。ただし、決済のタイミングは契約条件によって異なります。前払い、L/C決済、後払い等です。
※ L/C決済とは、 取引銀行が輸入者に代わって輸出代金を支払うことを相手国の外為銀行に対して保証する、「支払い保証状」を用いた貿易取引の事

通常の国内取引とは、取引の段取りも大きく違う様です。では、この貿易の流れを実際にどの様な形で実際に行っているのか、続きは次回の投稿で…

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